この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
相談者様は、事業用オフィスとして借りていた物件を解約して移転をしましたが、元のオフィスの貸主から、差し入れていた敷金240万円につき全額が原状回復費に充当されたので敷金を返還することはできないと言われ、弁護士への相談・依頼に至りました。
解決への流れ
弁護士より相手方に対し、原状回復に関する工費の内訳を踏まえ、本来的に相談者様が負担するいわれのない通常の使用態様による損耗箇所の修繕費が含まれていることを指摘し、該当箇所の写真等資料を提示した上で交渉したところ、最終的に和解により150万円の返還を受けることができました。
テナントの賃貸借契約においては、原状回復のための工事に関し、貸主側の指定業者を用いる旨が契約書に定められていることが多く、工費が競合他社と比べて多少高額であったとしても、金額の高低を裁判上争うことは困難です。しかし、借主の原状回復義務の範囲を争う余地があることは少なくありません。すなわち、通常の損耗については、契約書上で借主が原状回復義務を負う範囲が明記されているといった場合を除き、借主は原状回復義務を負うことはありませんので、そのような箇所まで工費を計上されている場合は、しっかり指摘をして、敷金の返還を求めるべきです。なお、借主の故意過失により傷つけたものではないということを証明するためには、入居時と明渡時それぞれの内装の写真を撮影しておくことが望ましいでしょう。