この事例の依頼主
40代 男性
Aさんは、知人のBさんに「借金の返済をするためにお金がどうしても必要だ」と懇願されて、相続によって得たお金の中から400万円をBさんに貸してしまいました。返済期日が来ても返済されることがなかったので、1か月経ったくらいに連絡をしたところ、今手元にお金がないから半年間待ってくれ。半年以内にお金は作るから」という話をされ、半年間待ちましたが返済をしてくれることはありませんでした。その後、AさんがBさんに連絡をしても連絡が取れない状況になってしまいました。
困ったAさんは、何とか返してもらうことができないかと思い、当職のところに相談にいらっしゃいました。当職からAさんから聞いた電話番号に連絡をしても、当方が弁護士であると知るや電話を切られてしまい、それ以降電話にも出ることはありませんでした。弁護士名義の内容証明郵便を送っても反応がないという状況で、交渉を行うことは難しいと思われました。悪質な債務者であると判断をして、すぐに当職が代理人となり貸金返還請求訴訟を提起することにしました。Bさんは第1回期日に出席せず、答弁書を提出することもなかったため、すぐに貸主勝訴の判決が下されました。しかし、Bさんは裁判所が出した「判決」に対しても全く無視を決め込んで一切支払おうとしません。そこで、当職は、Bさんが一番嫌がる方法をとるほかないと考え、Bさんが勤務する会社の相手方に対する給与債権を差し押さえる強制執行手続を行いました。AさんからBさんは対面をすごく気にする人間であるということを聞いていたので、会社に裁判沙汰になるようなトラブルを抱えているということを知られるのが一番Bさんにとって嫌がることであろうと考えたからです。給与において差し押さえることのできた額は貸金債権全額ではありませんでしたが、この場合、会社に対して、給与を相手方に支払ってはならない旨の通知が届きますので、Bさんとしては会社に対してとにかく体裁が悪いということで、すぐに全額を支払ってきました。Aさんにも、「Bさんとまったく連絡が取れなくなってしまい、返済してもらうことはもう無理かとあきらめていたところ、まさか全額返ってくるとは思わなかった」と非常に喜んでいただきました。
債権を回収する場合に、相手方の言いなりになって支払期限を延ばし続けて、結局お金がかえって来なかったという方が後を絶ちません。重要なのは、相手方にお金を返さなければ何らかの不利益が降りかかるという認識をきちんと持たせることです。債権者が債務者になめられれば悪質な債務者はノラリクラリと返済を引き延ばしにかかってきます。いざとなったら法的措置を断固として講じるという強い意思が必要です。悪質な債権者に頭を悩ませている方は弁護士に一度相談してください。