この事例の依頼主
50代 男性
顧問先会社からの紹介で建築業者のA社の社長Wさんを紹介していただきました。A社は、一戸建ての建設やリフォーム業を営む建築会社でした。A社には、取引先であるB社に対して、建築請負代金債権として約700万円の債権を有しておりました。A社とB社は、元請会社・下請会社の関係として長い間取引がありましたが、B社からの入金がたびたび遅延するようになりました。A社としても信頼関係があったことから、見逃していましたが、あるときついに支払いがストップしてしまいました。Wさんは、直接B社の社長と話しをしようと考えて、B社の営業所に出向いたところ、B社の営業所はしまっており、廃業をしたような状況でした。B社の社長の携帯電話も解約をされてしまい、連絡が取れない状況でした。A社としては、B社がB社への発注者であるC社に対して、請負代金債権を有していることを把握していました。そこで、その請負代金債権から未回収の売掛代金を回収できないかと考えて法律相談にお越しになられました。
当職は、Wさんから事情を聴いたところ、C社に対する請負代金債権を仮差押えしたうえで、訴訟を提起する必要があると判断をしました。そのようにお話しをさせて頂いたところ、Wさんからも承諾を得られたので、手続きを進めることにしました。受任をした後、早速、当職は、仮差押に必要な書類を準備し、C社を第三債務者として、B社がC社に対して有する請負代金債権について債権仮差押命令の申立てを行いました。また、A社がB社に振込送金する際に使っていたB社の預金口座を把握していたため、当該預金債権についても仮差押申立て手続きを行いました。そして、裁判所からの仮差押命令決定を受けた後に、直ちに本案訴訟を提起いたしました。B社は訴訟に出席せずに、欠席判決ということでA社の勝訴判決を得ることができました。そのうえで、本執行手続きを進めました。ほかに競合する他の債権者もいましたが、最終的に、A社は、未回収の売掛金のうち約470万円を回収することができました。特に、競合する他の債権者のいなかった預金口座からは、差し押さえた預金全額(約80万円)を回収することができました。
請負代金債権の未回収の事案というのは多いようです。法的措置を講じることに躊躇しているうちに、他の債権者に取られてしまうということがありますので、迅速に対応をすることが必要になってきます。まずは、法律相談をして現状をきちんと分析しどのような対応をとるのが望ましいのかのアドバイスを受けるべきであろうかと思います。一度、法的措置を講じることを経験すれば、それは次のケースにおける重要な経験になってきます。