この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
同じ営業所内の上司と部下の間で起こったトラブルに関し、会社からご相談いただいた案件です。お互いに感情的な対立が強く、刑事事件に発展する寸前まできている状況でした。会社としては、他の従業員の手前、加害者に対しては厳正な対応が必要であると考える一方で、警察沙汰になり話が大きくなることは避けたいというジレンマを抱えた状況でした。
解決への流れ
トラブルの当事者ではなく、あくまで会社の代理人として中立的な立場から双方の言い分を確認し、争いのない事実関係をもとに懲戒処分を課すと共に、適切な被害回復を図るため時間かけて和解の必要性を説きました。最終的に、双方が納得できる和解案を提示し、無事解決へ至りました。
懲戒処分は従業員に対する重大な不利益処分であり、事実関係にはほとんど争いがない場合であっても、被害者一方の言い分だけを根拠に安易な処分を行なうと感情的な反発を招き、結果として法的紛争に発展することが少なくありません。裁判例においても、弁明の機会を十分に与えたかどうかは処分の有効性を判断する上で重要な要素の1つとされています。会社としては、非違行為を行なった社員に対する処分が違法・無効などと判断される事態は絶対に避けるべきであり、弁明の機会を与えることで思わぬ「思い込み」「決めつけ」に気付くこともあります。さらに、加害者からも時間を掛けて丁寧に聴取りを行うことで、本人から非違行為の動機だけではなく悔悟・反省の言葉が聞き出せることで、被害者に許してもよいという気持ちが芽生え、結果的に警察沙汰に至るという事態も避けることができることもあります。懲戒処分を行う前の段階で依頼者様から事前にご相談いただけたことで、無用な対立やトラブルを避けることができた好事例と言えるでしょう。